2008年06月30日(月)
熱中症 [病気に関するお話]
今日は久しぶりに雨も上がり、朝から暑いですね。
こんな日はワンちゃんの熱中症に気をつけてあげてください。
・肥満気味
・大型犬
・心臓病
・高齢犬・若齢犬
・短頭種(全てのブルドッグ、パグ、シーズー、狆、ボストンテリアなど)
以上のワンちゃんはとりわけ暑さに弱いです。ワンちゃんは暑くても汗をかいて体温を下げることはできません。汗をかく代わりに呼吸の回数を増やすことで体温を下げます。いつもよりハアハアと口を開けて呼吸していたら、いつもより気にして見てあげてください。取りあえず、扇風機で風を送ってあげるのもよいでしょう。それでも、暑そうなら躊躇なくクーラーをかけてあげてください。ただし冷やしすぎも良くありません。
ワンちゃんをドライブに連れて行く場合もこの時期は特にご用心を。運転席は涼しくても、ワンちゃんのいるケージの中はけっこう温度が上がってしまうこともあります。こまめに休憩を取って、ワンちゃんのチェックをしてあげてください。
いずれにせよ、新鮮な飲料水は切らさないようにして、こまめに水分の補給をしてあげてください。
もうじき楽しい夏が来ます。ワンちゃんといっしょに夏をエンジョイしてください。
写真は本屋で見かけてつい衝動買いしてしまった絵葉書です。
Posted at 11時38分
2008年05月21日(水)
日本動物高度医療センター(JARMec) [病気に関するお話]
日本動物高度医療センター(JARMec)をご存知ですか?
日本の小動物臨床分野でスペシャリストと呼ばれる先生方の集まった病院です。
JARMeCは、レベル的には日本の小動物医療でトップだと思われますし、世界的にもかなり通用する病院と思います。
そんな、素晴らしい病院と連携することとなりました。
当院で、検査不可能、あるいは治療が高度すぎて、実地不可能な場合で、飼主様が通院可能でかつご紹介を望まれた場合、JARMeCにご紹介できる体制が整いました。
JARMeCの代表は日本獣医師会会長の山根先生です。TVでご覧になった方も多いのではないでしょうか?
興味をもたれた方はタイトルをクリックしていただくとJARMeCのホームページへアクセスできます。
Posted at 19時03分
2008年04月15日(火)
ぼちぼちフィラリア予防のシーズンです [病気に関するお話]
今年は、暖かくなるのが早いですね。
フィラリアを媒介する蚊の発生も早そうです。
今回はフィラリア予防薬のお話です。フィラリア予防薬は「予防薬」という名前で呼ばれていますが、厳密に言うとフィラリア幼虫の「駆除薬」です。
犬が蚊に吸血されるときにフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア、通称mf)が犬の体内に入り込んできます。体内に入り込んだ幼虫は、数ヶ月犬の体内を移動した後、最終的に肺動脈という心臓と肺の間にある大きな血管に到達し、そこに寄生します。フィラリアの予防薬は、犬の体内に入ってきた初期の幼虫を退治することによってフィラリアが犬に寄生するのを防ぎます。おおよそ1ヶ月に1回の投薬で感染をほぼ100%防げます。つまり、お薬を飲ませたらその先1ヶ月フィラリアの感染を防御するのではなく、蚊に刺されたときに体内に入り込んできた幼虫を退治するのがフィラリアの「予防薬」です。
あくまでも「予防」という考えであれば、ある場合を除いては副作用の出るようなきつい薬ではないので早期から予防薬を飲ませても一向に構いません。しかしながら、実際の予防期間は血を吸う蚊が出始めたらお薬を飲ませていただき、蚊がいなくなって1ヵ月後まで飲ませていただくのが理想です。9月くらいで投薬を終了してしまうと結構フィラリアに感染してしまいます。何事も最後が肝心です。尾張旭市や瀬戸市では11月下旬か、12月上旬まで予防薬を飲ませてあげてください。
フィラリアの予防薬には、フィラリアの成虫を退治する効果はありません。フィラリアが肺動脈で成虫になって、ワンちゃんに害を及ぼす前に確実にお薬を飲ませて、大事なワンちゃんをフィラリアから守りましょう。
フィラリア予防薬を処方させていただく前には必ず血液検査が必要です。ワンちゃんが知らない間にフィラリアに感染していて、血液の中にフィラリアの幼虫が存在している状態で予防薬を投与すると、血液中の大量のフィラリアの幼虫が死んだ影響で、ワンちゃんがショック状態に陥ったり、最悪ショック状態から死んでしまうこともあります。
つい、うっかりしていて去年のフィラリア予防のお薬が残っていてもいきなり飲ませるのはやめてくださいね。とりあえず、血液検査をさせていただき、飲ませても大丈夫なのを確認してから、去年の残りから使用してください(ただし薬にも使用期限がありますのでおととしの薬は使用しないほうが無難です)。
ワンちゃんのための予防薬がワンちゃんの状態を悪くさせていたら全くもって話になりませんよね。
フィラリア予防薬を飲ます前にまず血液検査をさせていただくのはこんな理由があるのです。
Posted at 00時05分
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