みずこし動物病院

2008年09月09日(火)

人獣共通感染症 トキソプラズマ [病気に関するお話]

トキソプラズマをご存知ですか?
出産経験のある女性なら聞いたことがあると思います。
トキソプラズマとは原虫と呼ばれる非常に小さな生物の1種です。
妊婦さんが妊娠途中にトキソプラズマに初めて感染すると流産や新生児に障害がおこったりします。

ここで、肝心なのはすでにトキソプラズマに感染したことがあり体内にすでに免疫を保有している女性は、トキソプラズマが妊娠中に問題になる可能性は極めて低いと考えられます。

また、猫が感染力をもつトキソプラズマのオーシストとよばれるものを排泄するのはほんの一時期であるので、室内飼育の猫(当院では、猫は室内飼育するようお願いしています)であれば、トキソプラズマを人に媒介する可能性は非常に低いと思われます。

一般的には猫が一方的に悪者にされており、極端なケースでは、女性が妊娠すると猫を処分するよう勧められる?!ケースもあるようです。
 まことに無知というのは怖いもので、今まで家族同様に暮らしてきた猫をどうして簡単に処分などできましょう。

 トキソプラズマに感染するリスクファクターは猫よりむしろ以下のことです。
1.生肉および加熱処理不十分な肉の摂取。
生肉とは馬刺し、レバ刺し、鳥刺し、鯨刺し、山羊刺し、レアステーキ(牛、羊、豚)などで、その他の加熱不十分の肉(生ハム、鹿肉、熊肉、シシ肉)もリスクファクターとなります。
2.土との接触(ガーデニング、ペットについた土、ペットに顔や口を舐めさせる)
3.水洗いの不十分な野菜・果物の摂取
4.生水の摂取

ただし、妊娠中に新たな子猫を飼育するのは、避けたほうが良いでしょう。子猫が、トキソプラズマに初感染した際に感染力を持つオーシストを排出する可能性があるからです。
 また、猫に限らずペットに、キスをしたり、顔を舐めさせたりするのは、避けたほうが無難でしょう。

 妊娠中は妊婦さん本人よりも周りが気を使って、ペットに対してナーバスになりがちですが、必要以上に神経質になる必要はないと思います。
 きっちり飼育管理をしている犬猫に対し、節度を守った接し方をすれば、妊娠中でもこれまでどおり楽しく犬猫と暮らしていけると思います。

 この内容はスモールアニマルメディスン56号p67-76「医師からみたズーノーシス」より言葉をかえて一部パクらせてもらいました。

Posted at 17時00分

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